食空間は老若男女を問わず、家族全員による"食の営みへの参加”
意図した空間です。
作る、食べる、片付ける、団欒と言った一連の行為をとおして、子供のしつ
けや家族関係等が日常生活の中で自然に培われることを
求めた空間なのです。 多忙のせいでしょうか、この大切な感覚を現代は忘
れかけています。  

 老人の参加の”場”が配慮されていることも重要です。
”食”は全ての源であり, ”作る、創る”と言った喜びを私たちに、もたらして
くれています。

食の営みが五感をとおして、老人に豊かな表情をつくり出します。
豊かに生きることとは
”豊かな食”があってのことかと思います。
 家族の団欒
についても同様のことが言えます。
家族の対話の場=居間に求め過ぎではないでしょうか。 
アクテブな食空間は家族の個性をあるがままに表現してくれます。   
食の営みの中に、つまり”五感”のある対話をもっと求めていくことが大切なの
ではないでしょうか。 

 素敵なシステムキッチンが調理食品の ”場” になってしまっていることをよく
耳にします。
その訳は空間の ”質” に問題があることと、そして、何よりも
”作 る 労” か
らの対策
で終わっているからではないでしょうか。

 食欲の意味を健康な人は大切にしなければなりません。
本来の食欲とは何か。・・・・・
食空間をとおして、この課題に答えたいと思っております。
 家族(環境)の数だけ空間デザインの個性もあることが本来の住宅の姿で
あると思うのです。  
           ‐‐‐記 矢田奈保子 + 野田利恵 ---



 空間デザインの深さは設計者の経験の深さによる世界です。 
あこがれ的なデザインを単に求めるのではなく、確かな経験に裏打ちされた
空間デザインを求めたいところです。
 建築家は全てに自由な立場で発想し、本音で家族の個性に応えられる
唯一の職業であることを是非、知っていただけたらと願っています。 

は じ め に


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